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ペアローンの特徴とメリットや注意点について
税理士法人山下会計事務所の小田と申します。
共働き世帯が住宅ローンを借りる方法の一つに ペアローンがあります。
今回はこのペアローンの特徴とメリットや注意点をご紹介いたします。
ペアローン(以下、夫婦を想定)の概要は次のようになります。
・一つの物件に対して夫婦など複数の債務者がそれぞれ住宅ローンを借りる方法である。
・ペアローンの対象となる物件を共有名義としてそれぞれが担保提供者となり、かつお互いが連帯債務者となる。
・それぞれが住宅ローン控除を受けることができる。
・特徴として単独ローンよりも借入額を増やせることが多い。
次にペアローンのメリットは次が挙げられます。
・夫婦それぞれの収入に応じて住宅ローンを借りることで借入額を増額でき、住宅の選択肢が増える。
・例えば、住宅ローンの控除限度額を3,000万円とし、単独ローンで4,000万円を借入する場合、単独ローンでの当初の控除額は年間で最大21万円(3,000万円×0.7%、居住年令和5年と仮定)であるが、それぞれが2,000万円のペアローンを借りた場合は、控除額が28万円(2,000万円×0.7×2名)となり、世帯の控除額を増やせる。
・住宅ローンの借入額や返済プランを夫婦それぞれが選択できる。
一方、注意点としては次が挙げられます。
・将来、夫婦の働き方に変化が生じて収入が減少すると返済に影響が生じる。
・働き方の変化により収入が減少した場合、所得税や住民税等の納税額の住宅ローン控除額が減少する可能性がある。
・夫婦のどちらかが死別した場合、単独ローンであれば、団体生命保険に加入していれば残債を完済できる。しかし、ペアローンでは相手に万が一のことがあった場合は団体生命保険で相手のローン返済はなくなるが、自分自身のローン返済は残ってしまう。
以上のように、ペアローンはメリットが大きい反面、将来の働き方が変化することで収入が減少したり、相手に万が一のことが発生した場合に連帯債務者としての責任を追う必要があることなどを理解したうえで、慎重な検討が必要です。

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兵庫、岡山、鳥取の【経営支援】【相続税】に強い税理士・公認会計士 税理士法人山下会計事務所
カテゴリ:住宅ローン減税