税務調査Q＆A

大きくわけると、1.強制調査と2.任意調査の２つです。
1.強制調査は、査察(マルサ)と呼ばれるもので、納税者の許可を得なくても調査差押等ができます。
2.任意調査は、一般的な税務調査のことで、納税者の同意を得て行われます。

一般的な税務調査は、納税者の同意を得て行われる任意調査です。しかし、課税庁が必要とした場合は拒否できません。また、調査官は質問検査権をもっています。適法な手続きであれば、必要書類を提示し質問に答え、調査に協力しなければなりません。

国税庁又は、税務署からきます。資本金１億円以上の法人は、国税庁から、それ以外の法人は税務署からきます。

通常、税務署から連絡が入ります。税理士の関与がある場合は関与税理士に連絡が入ります。日時、日数、場所、担当調査官の部門、氏名、当日の人数を確認します。

もちろんできます。通常、関与税理士に税務署から何月何日から何月何日まで◯◯会社の税務調査に伺いたいとの連絡がはいります。お仕事の都合等により日程を調整することは可能です。

なかには、予告なしで突然税務調査官が来訪することがあります。主として飲食店等の現金商売が多いようです。その場合は、すぐに関与税理士に連絡してください。そして、関与税理士が到着するまでは、調査は開始させないでください。

あわてず、あせらず、聞かれたことに答え、あまり余計なことは話さないようにしましょう。 調査官の質問がよく理解できないときは、よく確認してはっきり答えてください。

以下のものをさしあたり３年分準備しておいてください。
1.各種議事録
2.総勘定元帳
3.領収証、請求書
4.源泉徴収簿
5.給料関係の書類等

調査官のなかには、調査の力量が高い人や低い人、経験を積んだ人も若手の人もいます。弊所の経験では調査官の力量は、ほんとうにバラバラという印象です。

一般的なケースでは、次のようになります。
　　AM１０時から調査開始
→　会社概要確認
→　売上、仕入等のチェック
→　人件費等のチェック
→　主要経費科目のチェック
→　検討事項のまとめ
　このような流れで中小法人では２日間で行われることが多いです。

調査官は、会社の外で自分で食事をしますので、会社で食事の用意をする必要はありません。もし、会社の近くに食事をするところがない場合には、会社で食事をします。その場合、調査官は食事代金を支払ますので、会社で領収証を用意してください。

では、税務調査でチェックされる事項をお伝えします。まず、掛売上がもれていないか、期末の棚卸在庫にもれがないかは、必ず確認されます。そして、その他収入のもれはないかがチェックされます。忘れやすいところでは自動販売機手数料や製造業ではスクラップ売却収入の計上もれがあります。また、会社においてお祝い事があった時に、取引先からもらったお祝い金を現金収入に計上するのを忘れたとか、会社に入金しないといけないものを個人口座に入金してしまったというケースもありますので注意が必要です。契約書等にきちんと印紙が貼ってあるかもよくチェックされます。

まったく必要ありません。それどころか、もっと他にあるのではないかと会社にとって悪い方向にいくと思われます。

それは、次の場合の区分で考えるべきです。
　　1.　前回まで指摘されるべきものが単に見過ごされていて、今回指摘された。
　　→　今回の指摘が適切なものであれば受け入れる
　　2.　前回までの調査で検討事項にあがっていて問題なしとなり、今回指摘された。
　　→　今回の指摘が適切なものであれば、前回の調査官の対応に問題があるようです。そのことを主張する必要があります。

はい、できます。そして許可なく調査官が机やロッカーを開けると違法な質問検査権を使ったことになります。

調査の最終日は会社と税理士に調査官から指摘事項をまとめて示されます。そして、その後に会社側として意見を述べます。受け入れるべきところは受け入れ、主張すべきところは主張します。

すぐに結論がでる場合もあります。また、確認すべき事項があれば後日確認の上話をします。

その場合は、税務署から是認通知をもらうことができます。

修正申告書を提出し、追加の税金を納付します。注意すべきは、納得していないのに修正申告書を提出しますと、その後不服申立て等はできません。修正申告書は納得のうえ提出しましょう。

その場合は、税務署が職権により更正処分を行います。それを受けて会社では２か月以内に不服申立てを税務署に行います。３か月以内に、再調査の請求か審査請求を行うことができます。

指摘事項により追加税金を納めた場合、それに伴い附帯税が発生します。この税金の納付書は後日税務署から送られてきます。附帯税は次の３つです。
1.　延滞税・・・　納付が遅れた利子のようなもの
2.　過少申告加算税・・・ペナルティ
3.　重加算税・・・隠ぺい・仮装があった場合に過少申告加算税にかえて課されるペナルティ

重加算税は追加本税の３５%から５０%です。そして、税務署に重加算税がかかったことが記録されますので、今後は、税務調査から税務調査までの期間が短くなる可能性が高くなります。

指摘事項について改善し、次回の税務調査に備えましょう。そうすれば慌てる必要はありません。